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菅原伊織に関して * 2008/10/26(日) ※「拳論!取材戦記」より転載

菅原伊織に関して    * 2008/10/26(日)

 今朝、僕のところにショッキングな連絡が多数入った。
「菅原伊織が練習生の死亡事故を起こした」
 というものだ。中には「説明しろ」と猛抗議するような内容もあった。

 伊織は僕が過去に所属したプロレス団体「二瓶組」にいた格闘家で、いわば後輩にあたる。立ち技の真剣勝負の大会でも一緒になったことがあって、セコンドに付いたこともある。ただ、僕が二瓶組に所属したのは随分前のことで、現在は代表の二瓶組長とも伊織とも長く音信不通。現在も付き合いがあるのは鴨居長太郎とモンゴルマンだけで、これはプロレスと無関係な個人的なもの。伊織が現在も二瓶組に所属しているのかすら知らない。

 だからといって無視できる内容ではない。届いた内容は人命に関わること。「18日に危険なプロレス技を試す練習中の事故なのに、伊織は遺族に対して失礼な態度をとった」という。事実を確認するため、過去の住所録から探し出した伊織の携帯電話にかけてみたが「キン肉マン」の音楽が鳴るだけで、本人が使用しているかは不明(たぶん本人のものという気がするが)。

 僕が知る伊織は目立ちたがり屋でナルシストな半面、礼儀正しく性格的に問題は感じなかった。体は細くとてもプロレスラーには見えないが、立ち技の真剣勝負もできる男で好印象はあった。ただ、その人物像とは別の部分で、僕は危なさをずっと感じていた。何しろ彼がプロレスのリングに上がるようになった頃、専門の練習経験はゼロに等しいままだったからだ。僕が知る限りはその後も本格的なプロレスの練習はほとんどしていなかった。そもそも二瓶組はプロレス団体だが合同練習はゼロ。みんなが見よう見真似でやっているような状況で、僕は定期的に先輩選手について横浜の道場に通っていたが、他を誘っても来る人はナシ。僕自身もプロレスのスキルに乏しいが、その僕が見ても「ヤバイんじゃないか」と思うような状況があった。

 結局、今のプロレスというものは見よう見真似でもそこそこやれてしまうということ。よく見ればラリアットを受けてマットに倒れる瞬間や、ロープに飛んだ瞬間の動きで差が分かるのだが、誰でも入れるからこそ無数に団体・選手が広がったのだろうし、タレントでも大した準備なくリングに上がっている。正直、技をやるのは誰でもできる。殴って蹴って投げればいい。問題は「受け」だ。メジャーの選手がやるような大技を熟練者の指導もなく練習していれば事故は起きて当然。伊織とは何年も会っていないが、基礎練習を乗り越えていない彼が人に教えられるほどの技術を身につけていたとは思いにくい。昔、彼のやっていた空手のHPを見たとき、プロレスラーになりきれてもいないのに「ラリアットの打ち方」「逆エビ固めのかけ方」なんていうコーナーがあって失笑したこともある。

 少し前に伊織と同じリングに上がった選手に電話してみた。彼によると、被害者とされる練習生は既にデビュー済みで試合も見たのだという。
「伊織は空手ベースの試合スタイルだから、それを教えているのかと思ったら普通のプロレスをやっていて正直、基本はできていなかったですね。最近は僕らが新人時代に当たり前にやらなくてはいけなかったことを、既にデビューしている選手ができていない。チケットを多く売ってくれるから、というだけでリングに上げるんですよ」

 現在、事故の真偽や詳細は全く分かっていない。言えるのは、こうした情報が出てきた以上、きちんと説明しろ!ということだけだ。事実なら事実、違うなら違う、もし事実なら大変なこと。偽りなく状況を全て明かすべき。仮に伊織が現場責任者であったなら重大な過失が認められる。ネット検索して伊織のブログを発見したが、確かに大会前日の急な欠場が書かれている。

「ボクは死んでも死に切れない想いです。責任はとります。とりあえず、今言いたい事を詰め込みます。ボクみたいな選手を誰よりも愛してくれて、応援していただき、ありがとうございました。個人的に支えてくれたみんな、ありがとう。今はさようならは言わない」(http://blog.livedoor.jp/iorispower/)

 事故を裏付けるような記述にも見えるが、もし事故が本当なのであれば、自分のファンにかっこつけた捨て台詞を吐いている場合か、と思う。願わくば「幻さん、あれ全くのガセです」と電話が入ることを祈りたいが・・・。ただ、いずれにせよ、無法地帯のプロレスというジャンルにこういうケースが起きても「やっぱりな」としか思えない現状はあると思う。被害者はライセンスなき世界の犠牲者だ。(片岡亮)

 p。s。詳しい状況をご存知の方がいたらご一報頂ければと思います。

⇒ その後の調査で事故があったことが事実だと分かりました。本当に残念です。伊織に対してではなく、被害者に対してです。何がどうあれ若者が「プロレスをやってみたい」と思って挑戦した結果、人生が終わってしまったという最悪の結末に至ってしまったのはあまりに惨すぎます。僕がでしゃばることではないですが、伊織はプロレスラーを名乗る以前に社会人としての対応をすべきだと思います。少なくとも被害者の知人から僕のところに届いた声は怒りに震えています。被害者の方にはこの場を借りてお悔やみ申し上げます。

(以上、「拳論!取材戦記」 http://boxing.dtiblog.com/ より転載)

※同記事のウェブ魚拓→http://s01.megalodon.jp/2008-1224-1226-43/boxing.10.dtiblog.com/blog-entry-1011.html

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